強奪ランカーへの道程
1.強奪ランカーの心構え
 よく、「強奪ランカーはなるのが簡単」とか「強奪ランカーが運があればなれる」などと言われるが、それは間違いというものである。 確かに強奪値の高いデッキを回していたらランカーになれていたというのは珍しい話ではない。 だが、それだけで強奪ランカーは簡単なものだと誤解されては困る。
 強奪ランカーになるのに必要なものは、 中強奪以上が組める強奪カード場所選びの眼力恨まれても気にしない神経の太さ(笑)名前が載って強奪がしにくくなる上に賞金が安いデメリットが我慢できる心(爆)であろう。 後者の2つは半分冗談として、実質、特に重要なのは前者2つと言える。特に強奪カードが無ければ強奪はできないし、あっても強奪値が1や2程度ではランカーになれるわけがない。 また、場所についても発掘が多いことが基本であり、強奪ばかりがうろついている不毛の地や、戦闘ランカーがひしめいている純戦ポイントではランカーになることは難しい。

 強奪はどこでもできる。しかし、意図して(特に上位の)強奪ランカーになるのは他のランカーと同じく大変な苦労が必要となる。 特に自分の欲しいアイテムを狙っての強奪では、強奪ランカーの上位となることは難しいだろう。そこが丁度、純掘の溜まり場であれば良いが、そうとは限らないからだ。 また、中強奪レベルでランカーを目指すためにはその場に居る同業者からも奪う必要があるだろうし、大強奪ならば同業者にはまず勝ち目は無いので、同業者が少なく、純掘の多いポイントを探す必要が出てくる。 「強奪ランカーは簡単らしいからちょっとやってみよう」という軽い気持ちで挑戦することの無いよう、お願いしたい。

 あと、これはある意味、もっとも重要なことなのだが、強奪したアイテムは大切に扱おう。 奪ったアイテムは奪われた側が待ち望んでいたアイテムかもしれない。売るなどするのは仕方ないが、発掘者が居なければ強奪は成り立たないことを理解しよう。 また、勝ち台詞に「やったぜ!ザマーミロ!」とか「悔しいだろ!ホッホ〜」といった設定をするのも謹もう。 これは強奪に限った話ではないのだが、特に強奪の時は気を遣ってほしい。 強奪は確かに恨まれやすいし、人によっては悪のように扱われることもあるが、だからといってセリフまで悪役ぶる必要はどこにも無い。 TGは1人プレイの家庭用ゲームとは違う。モニタの向こう側には人間がいるという事実を忘れないでほしい。 (勿論、必要以上に遠慮することはない。基本的なことさえ理解していれば、あとは心を鬼にして強奪に励んでほしい)



2.強奪ランカーになるのに必ず必要なカード
 当然のことだが、強奪カードが無ければ強奪ランカーになることはできない。 だからといってスナッチャーだけでも強奪ランカーになれるのかというとほぼ無理だろう。 ここで、強奪カードの性質についておさらいしてみよう。

スナッチャー (Size1 地上 HP1 強奪1)
 最初から持っている唯一の強奪カードである。サイズは1だが、強奪値も1である。 おまけに戦闘能力は一切無いので、いざ戦闘に入ってしまえばスライムと同じ役目しか果たせない。 原則として保護の無いデッキからアイテムを奪うことを目的として入れたり、イベントデッキから強奪する目的で使われることが多いだろう。 強奪の主力とはなりにくい(というかなり得ない)。
 なお、稀にスナッチャー2枚を投入したデッキを見るが、これならシーフとスライムのほうが遥かによい。

シーフ (Size2 地上 HP1 AP1[物理] SP18 強奪2)
 強奪カードの基本その1。サイズ2で強奪2を持ち、さらに僅かながら戦闘力を付けたカードである。 HP・APともに1なので流石に角には使えないが、辺での補助戦力としては割と使いやすい。 基本としては、四辺全てに置いて強奪8にすることであろう。あるいはバンディットをメインとしつつも、サイズ調整のためにシーフにするといった使い道も十分に考えられる。
 戦闘カードとして見ると、サイズ1のエルフコマンドのSPを落としたバージョンと考えると分かりやすい。 時空魔導師とSPは同じであるからビークル固定を確実に阻止することはできないし、エルフコマンドが有無をいわさずに葬れるクノイチには有無をいわずに葬られるが、そこは強奪カードのご愛敬。 サラマンダーやプリンセス、呪禁師などの辺に置かれやすいカードを葬る分には特に問題は無いし、そうでなくてもSP18のため、大抵は動いてから倒れてくれるので、それなりに頼りにはなる。

バンディット (Size3 地上 HP2 AP2[物理ランダム] SP17 強奪3)
 強奪カードの基本その2であり、上位の強奪者がよく使うカードである。 1枚で強奪3を持ち、サイズと強奪値が同じでありながら唯一AP2の攻撃を放つことから、ランダムの運がよければ良く働く。 そうでなくても強奪は常勝を目的としないため、向かい合っていないデスナイトやゴクウなどを倒せる可能性があるランダム攻撃はむしろメリットであるとも考えられる。
 使い方としては、三辺に置いて強奪9+フェアリーを残りの辺において保護1、もしくは四辺に置いて強奪12というのが一般的だろう。 ある程度のループを組むなら前者、角にも強奪カードを置いて監視を重視するなら後者の方が良い。

風馬小太郎 (Size4 地上 HP3 AP1[物理] SP18 物理防御 強奪4)
 1枚で強奪4を持つ強奪カードの王者と言える存在。APは1だが、物理防御を持ちつつHP3なのである程度は丈夫である。 そのため、角でも辺でも起用することができ、小強奪から大強奪まで幅広い強奪デッキで使われる。 その中でも大強奪デッキを組む時には最低1枚は欠かせない存在といえるだろう。 ただ、前述のとおりAPは1しか無いので、起用のしすぎも個人的には問題と思う。

ゴブリン強奪隊 (Size2 空中 HP2 強奪2)
 全ての強奪カードの中で唯一空中に位置するカード。これで攻撃能力を持っていれば良いのだが、攻撃能力は一切無い。 よって、空を飛ぶただの壁でしかなく、汎用性においてシーフには及ばない。 ベルゲの限定カードであることも考えると、使い勝手の悪さは否めない。

アサシン (Size3 地上 HP1 AP3[物理] SP16 強奪1)
 サイズ=強奪値になっていない例その1。 バンディットと同じサイズで強奪値は1しかないものの、代わりにSP16のAP3と攻撃能力は暗黒剣士ゲイルに並ぶ。 HPは1と非常に脆いが、これはゲイルに並ぶ攻撃能力である程度はカバー可能。 辺に置くとシーフなどに倒される恐れがあるので、角に置くべきカードであろう。 強奪デッキは全体的に戦闘力が弱くなるので、戦闘カードの他、アサシンで補うのも1つの手だ。

ヌケニン (Size2 地上 HP3 AP1[物理投射] SP10 強奪1)
 サイズ=強奪値になっていない例その2。 強奪カードの中で唯一投射能力を持つカードだが、AP1のSP10と投射カードとしてはお世辞にも優秀とは言えない。 HPは3あるため、そこそこ持つだろうが、この能力では投射としても強奪としても半端である。 飛空投射デッキに混ぜて強奪の味つけをする程度なら良いが、本気で強奪をするならあまり用いられることのないカードだろう。

ゴブキャッチャー (Size18 地上 HP20 GOLD10 ITEM1 強奪1)
 強奪能力を持つ唯一のビークルである。しかし、これ以上使い道のない強奪カードも珍しい。
 サイズ18にして強奪値はわずか1。おまけにゴールドもアイテムもそれぞれ10・1とロクに積めない。 これならディグに風馬小太郎を乗せたほうが強奪4にして残りサイズ18だし、HPも同等、おまけに積載量はディグの方が圧倒的に多い。 さらに天空の島シエルの限定カードである上にレアリティは4、入手も難しく、使い道も無い。 趣味で使うならともかく、本格的な強奪には全く使えない。


 さて、解説中にも書いたが、強奪カードは基本的に強奪値=サイズとなっている。 となれば、強奪値を決めれば自ずとどのようなデッキとなるかも見えてくるはずだ。



3.デッキ構築と強奪のタイプについて
 強奪と一口に言ってもTGの世界にはさまざまなタイプの強奪がうろついている。 ほとんど純戦のようなデッキにスナッチャーが1枚だけ混ぜられたデッキ、戦闘と強奪がバランスよく入ったデッキ、全部強奪カードで作られているデッキ…様々である。 ここで僕なりの強奪の分類を示してみることにする。 なお、盗掘は省いていること、人によって強奪の種類の定義は違うことを予め申し上げておく。

微強奪
 純戦闘デッキの中にスナッチャー、もしくはシーフを1枚だけ混ぜたような強奪値が1〜2のデッキを微強奪と呼ぶ。
 保管のために時々街に戻ったりするため、Sクラスはそれほど居ないが、当然のようにAクラスにいることが多い。 その戦闘能力は純戦級で、中強奪以上ではほとんど勝ち目が無い。近場に居られるともっとも迷惑な同業者のタイプと言える。
 反面、保護さえしっかりしていれば滅多に強奪されることはないので、純掘には比較的歓迎される。 保護の薄い大強奪や武装発掘に狙いを定めてアイテム目当てとしない限り、普通は使わないタイプだろう。 強奪の収入がほとんど見込めない以上、普通は儲からないからだ。

小強奪
 バンディット2枚ぐらいまでの強奪値が3〜6程度のデッキを小強奪と呼ぶ。
 これも戦闘能力は高く、普通はAクラスにいるはずだ。というよりも、微強奪と共通してこれら強奪値の低い強奪デッキは最低でもAクラスにいないと儲からない。 原則として微強奪と同じく、保護の薄い大強奪や武装発掘に狙いを定めた使い道が基本であろう。 これもランカー狙いには向かないし、ランカー狙いの強奪者にとっては迷惑極まりないタイプであると言える。

中強奪
 強奪値が7以上で、陸上であれば強奪値12、海上であれば14までのデッキを中強奪と呼ぶ。
 このあたりまで上がると薄い保護は簡単に抜いてしまうし、分厚い保護でも運が良ければ奪える、強奪デッキの中ではスタンダードな存在と言える。 それゆえバリエーションも多く、ランカーになるデッキもこの辺から出てきはじめる。 大抵はBクラスで落ち着くことが多いが、出来が良ければAクラスになることもさほど難しくはない。
 このタイプの難しいところは、強奪対象の広さにある。 戦闘と強奪の比率がほぼ半々になるため、純掘は勿論のこと、同業者や武装発掘にも勝たないとクラス収入も入りづらく、儲かりにくい。 特に同業者との争いは熾烈なものが予想される。

大強奪
 陸上であれば強奪値13〜18、海上であれば強奪値15〜20のデッキを大強奪と呼ぶ。
 このタイプの強みはその高い強奪値にある。純掘にとっては負ければかなり分厚い保護でもかなりの確率で破られてしまうため、特に驚異となる。 また、出来の良いデッキはそれなりの戦闘能力も持ち、同業者からも奪うことがある。
 しかし、そういったデッキでもBまでが普通、Aまで上がるのはごく一部で、基本的にはCクラスで落ち着くことが多いだろう。 勿論、総合的な戦闘力は低く、対象は同じ大強奪か純掘と大分狭くなる。大強奪同士でやりあっても仕方ないので、基本的には街の1歩手前で待って監視し、奪ったら即座に保管というのが基本パターンとなるだろう。 監視の有無は人によるが、上位の強奪ランカーの多くはこの大強奪タイプである。特に一度に奪える量が非常に多いので、運が良ければ一気にポイントが稼げるのも大きな魅力だ。

鬼強奪(超強奪)
 陸上であれば強奪値19以上、海上であれば強奪値21以上のデッキを鬼強奪、もしくは超強奪と呼ぶ。
 どちらもそれぞれの地形最大のサイズを誇る基本ビークルであるディグ、サーペントの積載ゴールドを超えた強奪値を持つ強奪デッキである。 勿論、積載ゴールド18のディグで強奪20を成功させても奪えるゴールドは18である。それでも積載量以上に強奪値を高める理由は、その途轍もなく高い強奪値によって確実に保護を破り、アイテムを奪うためである。 しかし、デッキのほぼ全てが強奪カードとなる以上、戦闘力の大幅な低下は避けられない。基本的にCクラス止まり、周りの状況次第ではDクラスに落ち着くこともあるだろう。 よって、対象は純掘のみに絞られることが多い。
 基本的にアイテム目当ての強奪か、強奪ランカーの追い上げ(勿論、賭け)としての用途が主であり、当然、監視が必要になる。 監視無しでこのデッキを運用して成功する見込みはまず無いと思っていいだろう。 正確に言えば、ポイントは稼げるかもしれないが、実質的な収入はほとんど見込めない。


 さて、ここまでを踏まえてデッキを考えてみよう。
 まず、使用するビークルであるが、ランカーを狙う場合、陸上ならディグ、海上ならサーペントが基本となる。 何故なら強奪値は高い方が良い。強奪値=サイズの法則を考えれば、陸上で最大のサイズを誇るディグ、海上で最大のサイズを誇るサーペントとなるのは当然のことである。 また、強奪は勝つことが主ではなく、ゴールドやアイテムを奪うことが主であるため、ある程度の負け(特に純戦相手)は許容されることも1つの理由だ。 例外として微強奪や小強奪を運用する場合は周りの状況に合わせて有利なビークルを選ぶのも手だが、ここではランカーを目指すことを前提に解説しているので、それは考えないものとする。
 また、陸上にしても最大の積載量を持つビークルがディグからスレイブドラゴンになったが、スレイブドラゴンは非常に貴重なビークルである上、積載ゴールド10、積載アイテム1と積載量が少ないため、ランカーを目指す強奪向けではない。 純粋に強奪値を高めて奪うことを主とするならスレイブドラゴンの方が向いているが、総合的にはディグの方が上であろう。

 次にキャラクタを考えてみる。
 何度も書いているが、強奪は常勝を目的としない。極端な話、純戦にいくら負けても問題は無いのである。 しかし、同業者や武装発掘、まして純掘に負けてしまうようでは問題だ。同業者や武装発掘との対決状況は刻一刻と変化するため、その時その時の状況を見切ってデッキを組み立てる必要が出てくるだろう。 そういうわけで、ここでは対純掘に絞って考えてみることにする。
 「純掘相手なんか勝てて当たり前じゃないか」という人もいるが、それは誤りである。 勿論、クィーンアントを筆頭とした非戦闘員ばかりのデッキなら勝てて当たり前だが、ローバーを大量に使ったデッキに対して何も考えていないような強奪デッキも稀に見かける。

 例えばケンタウロスを起用しただけのデッキだ。確かにケンタウロスは強いがSPは11、SP12のローバーと戦えば反撃で倒せるものの、確実に一太刀を浴びてしまう。 ローバーはAP2であるため、2回当たれば終わりだ。これはロマーリア国王、フレイなどを起用しただけのデッキにも同様のことが言える。 勿論、全ての角がこういう戦力であれば、大抵は力の差で押し切れるため問題は無いのだが、そうすると今度はそれら強力な戦闘カードにサイズを割かれて強奪能力が大幅に落ちてしまう。
 他に、強いことは強いし、ローバーとの直接対決においても問題ないキャラクタでも他で補助できないと弱いカードなども問題だ。 例として暗黒剣士ガストが挙げられるが、これは単体でも強いし、ローバーと当たっても無傷で葬れる。しかし、ロマーリア国王のような素早い魔法系やブレスには弱い。 これならロマーリア国王を一方的に葬れる上に、倒れる時も大抵は一太刀浴びせてから倒れる暗黒剣士ゲイルの方が良い(他にウンディーネを置けば別)。 全体的に強奪カードは辺に置かれることが多いため、純戦ではできて当然の辺と角の連携が難しい。よって、単体で十分な戦闘力を持ち、弱点の少ないカードの方が良い。
 以上のことから、対純掘に対して強奪デッキを構築する場合は、次のような条件を満たすカードが理想となる。

1・純掘最強のカードであるローバーを無傷で葬れる。もしくはダメージを受けない。
2・単体で高い戦闘力を持ち、弱点が少ない。(一方的に倒されにくい)
3・サイズが小さい。

 勿論、全てのカードがこの条件を満たさなくても大抵は押し切れるが、満たしていれば純掘に負けることは無い。 また、少ないサイズで高い戦闘力を持たせることは武装発掘や同業者対策にもつながるので、できるようになって損はない。
 ちなみに誤解しないでほしいのは、前述でケンタウロスや暗黒剣士ガストを起用したデッキを良くないデッキに挙げたが、これは「それだけを起用したデッキ」に対しての話である。 確かにケンタウロスは2回ローバーと当たると倒されてしまうが、他の角で確実にローバーが葬れればあまり問題にならない。 要するにローバー対策や弱点対策がしっかりできていればケンタウロスやガストを起用することに問題は無い。
 では、この観点から見て、強奪をする際にお勧めできるカードを表にして挙げてみたい。 前述の表の番号の条件を満たしているかについて、満たしている順から◎・○・△・×と示す。 なお、条件1の判断基準については、無傷でローバーを倒せれば◎、ダメージを受けてしまう場合は一律で×、無傷でも倒せなければ△、ただしビークルに攻撃できれば○としている。

カード名条件1条件2条件3備考
暗黒剣士ゲイルお勧め。安定性の高さが魅力
暗黒剣士ガスト弱点を補えばゲイル以上に働くこともあり
暗黒剣士レイ弱点を補う必要があるが、ペガサスやグレムリンが流行っている時は有効
暗黒剣士ジャーマ物理防御が流行っていれば有効。魔法やブレスが流行っていると辛い
ガーディアンお勧め。物理防御が流行っていなければかなり有効
ワイバーン×同業者や武掘を相手にする場合、弱点を補う必要あり
ケンタウロス×頼りすぎに注意
ロマーリア国王×ケンタウロスの注意に加え、サイレントにも注意
フレイ×サイズ3の物理防御や飛行対策に
ペガサス周りの状況次第。対空が魔法に偏っていれば有効
グレムリンお勧め。サイズが小さく、純掘は対抗できることが少ない
ゴクウお勧め。対空と対物理防御の必要性によってバイパーと使い分けを
バイパーお勧め。対空が要らなければゴクウの代わりに
ファントム少ないサイズで物理防御が欲しければ
ウンディーネお勧め。サイズが小さい上に倒されにくく、ガストやワイバーンの護衛に最適

 このあたりがお勧めだ。目指す強奪値を基本にこれらの戦闘カードを組み合わせ、純掘は勿論、同業者にも勝てるデッキを構築していく必要があるだろう。 他にも周りの状況や自分のカード資産と照らし合わせてその場その場に合った強奪デッキを構築していくことが必要になるのは言うまでもない。



4.場所選びについて
 強奪ランカーを目指すにあたって、最も頭を悩ませるのがこの場所選びであろう。 自分の欲しいものを選ぶというのは基本的に論外だ。最初にも書いたが、それがちょうど純掘の溜まり場であれば何も問題は無いし、それどころか一石二鳥だ。 しかし、そうとは限らない。場所によっては強奪ばかりの不毛の地もあり、そのような所ではいくら優れた強奪デッキを構築しても奪えないため、何にもならないのだ。

 強奪ランカーを目指す場合は、強奪に向いたポイントをあらかじめ見回っておくのが一番良い。 当然だが、純掘の割合が高く、純戦と同業者の割合が低い程良い。純戦が集まりやすいポイントは前の週の戦闘ランカーを見ておくと参考になるので、きっちり頭に叩き込んでおこう。 強奪に関しては、同業者が居てもそれから奪えれば問題にならないどころか更にプラスになるので、強奪デッキの傾向を調べておくと尚良い。 強奪に向いたポイントは前述のとおりだが、では、強奪デッキが集まりやすいポイントはどのような特徴があるかまとめてみよう。

大量に必要になるアイテムが埋まっている場所
現在のイベントをクリアするのに必要なアイテムが埋まっている場所
お金を重視したデッキの溜まり場となる3歩掘り場

 これが特徴である場合が非常に多い。特に精霊の杖や命の水のような非常に貴重なアイテムは堀りに来る人が絶えないため、獲物に苦労することは少ないので、ランカーが多く、必然的に狙い目となることも多い。 ただし、これは最大の利点であると同時に最大の欠点にもなりうる。何故なら、純掘の多いポイントは必然的に強奪が集まりやすいからだ。 運良く純掘などから奪えればいいのだが、運が悪いと強奪同士の喰い合いになってしまい、ポイントもお金も稼ぎにくい場合が少なくない。

 原則として僕は堅実性を重視するので、ランカーを狙う時はこのような人気の掘り場を拠点にすることは少ない。 では、どういう掘り場が良いのか?僕は程々に人気の無い掘り場を選ぶ。 流石に発掘者も居ないような掘り場では困るが、オーブのような貴重なアイテムが掘れない掘り場を強奪が拠点にすることは少ないので、それを逆用するのだ。 こうすると必然的に同業者が少ない上にCクラス以上の強奪を狙った純戦も少なくなるので、そこそこに発掘デッキがあれば安定して奪うことは難しくない。
 勿論、貴重なアイテムを奪うことは無いが、貴重なアイテムを奪いたければランカーを狙うべきではない。 ランカーになることは自分の居場所が公開されることであり、腕の良い強奪者がそこにいるということを記されてしまうことである。 発掘者によってはそういうデッキを警戒して避ける人もおり、デメリットにこそなれメリットになることは無い。 また、アイテム狙いの強奪とランカー狙いの強奪はある程度、性質も変わる(これについては後述する)ので、欲張りすぎは順位を落とすもとにもなる。

 ただ、これにも例外はあり、貴重品と言えるオーブでも強奪に向いたポイントは存在する。 どこかといえば、言うまでもなく、人気のないオーブのポイントだ。風のオーブや星のオーブや水のオーブ、魂のオーブや青帝のオーブなどは人気があるため、人が絶えず、強奪もそれを狙った純戦も多い。 しかし、砂のオーブや力のオーブ、死神のオーブのような積極的に召喚しようとする人の少ないオーブは必然的に強奪者が少なくなる。 流石に砂のオーブの掘り場は過疎地域かもしれないが、オーブによっては狙い目となることがあるポイントもきちんと存在することは確かだ。

 では、場所を決めたとして、どのようなループを組めばいいだろうか。 これはデッキにもよるが、大強奪や鬼強奪であればほぼ監視が必須であろう。どうしても監視ができないのであれば、2〜3ステップ街から1歩か2歩の位置に居て、戻るというのが基本だ。 鬼強奪ならば街と1歩目を往復するのも手だ。これなら奪えれば確実に保管できる。
 中強奪であれば周りの状況にもよるが、掘り場の手前まで行って戻ってくる6ステップループぐらい、程よく強奪できればこれより短くしても良いし、奪えないなら長くしてもよい。 あまりに強奪できないようであれば、場所を変えるのも1つの手だが、悲しいことに運が悪い日というのは存在するもので、そこは自分の運と勘に頼るしかない。 なお、ランカーになるのは無理であろうが、小強奪以下の強奪値の場合は10ステップ前後で回るのが良いだろう。 同業者からも奪っていれば大体何かは積めているはずだ。



5.強奪ランカーとアイテム狙いの強奪はどう違うのか?
 前項で貴重なアイテムを強奪したければランカーを狙うべきではないと書いたが、何故か。それは強奪ランカーとアイテム狙いの強奪には決定的な違いがあるからだ。

 強奪ポイントの仕組みは1ゴールド強奪する毎に+1ポイント、アイテムを1つ強奪する毎に+3ポイント、そしてアイテムを1つ強奪される毎に−3ポイントとなる。 強奪ランカーはどれだけ貴重なアイテムを奪ったかで決まるものではなく、いかに多くのゴールドとアイテムを奪ったかにかかっている。
 つまり、奪ったアイテムが道しるべでも3ポイントだし、オーブや命の水のような貴重品でも3ポイント、つまり、アイテムはどんな貴重品を奪おうとも3ゴールドを強奪した場合と同じポイントでしかない。 これに対してゴールドは18ゴールド奪えば18ポイントが加算される。要するに、強奪ランカーを目指す際にもっとも大きな要素となるのはゴールドの強奪量となるのである。 対してアイテム狙いの強奪はその言葉どおり、アイテムを重視する。ゴールドを満載してもアイテムを積んでいなければ帰らない人も珍しくない。 これは強奪ランカーを狙う際はご法度である。強奪ランカーを目指す場合は最もポイント稼ぎの効率の良いゴールドを満載した後は即座に帰還しなければポイントの獲得効率に支障が出るからだ。

 つまり、ランカーとアイテム狙いの強奪はそもそも目的が違うのである。 勿論、ランカーがアイテムを奪うことも珍しくはないが、ことポイントを狙うことに限ればアイテムは3ゴールドと一緒なのである。

 また、ランカーになることは名前が載ることであり、言い方を変えれば「お尋ね者」の一覧に載ってしまったようなものである。 これはアイテムを狙う際に位置をバラしていることになり、何とも都合が悪いのは言うまでもない。



6.強奪に保護は必要か?
 ここについてはかなり意見が分かれるところであろう。TG上級者でも必要と考えている人、不要と考えている人どちらもいるのだ。 簡単に結論が出せる問題ではない。 だが、個人的に言わせてもらえば、中強奪以下のレベルで監視をしないのであれば、保護1は持っておくことをお勧めする。 「人から奪っておいて自分は保護しようなんて潔くない」という意見もあるのだが、経験則から言って、しょうもない盗掘に回転負けしてせっかく奪った貴重なアイテムを奪われる上に強奪ポイントがマイナスされるような事態を大分軽減できるので、全体的な効率面で有利になると考えている。

 しかし、これはあくまであちこちを強奪しながらうろつき回る時であり、監視をするのであれば、奪ったら即保管確定なので、保護は当然、必要ない。 また、保護値に関しても基本は1で良いだろう。イエティを使って3の保護を持たせるぐらいなら、強奪値を上げたり、武装に回した方が効率が良いはずだ。 何故なら、フェアリーはサイズ1で保護1だが、イエティはサイズ4で保護3と、サイズ当たりの保護効率では劣るし、本格的な強奪同士の争いに負ければ1でも3でも大抵は保護を破られてしまうからだ。



 僕の強奪ランカー論は以上である。これまでに書いたことを参考にし、強奪ランカーの手助けになったり、さらに洗練されたデッキの研究に役立てば幸いだ。 最初にも書いたが、強奪は発掘が居なければ成り立たないことを理解しつつ、心を鬼にして強奪に励んでほしい。


戻る